災害支援車開発例

北良株式会社、岩手県花巻市様

人工呼吸器など災害時にも医療行為が必要な患者にオフグリッドシステムと移動トレーラーにより医療的ケア児を守る環境を構築。

DATA
開発背景
地震、台風など、災害列島などとも揶揄されるほど自然災害が頻発する日本。そんな災害時には健常者以上に、医療的ケアが必要な方が危機にさらされます。東日本大震災の時には医療的ケアが必要な人、そのご家族が、大規模停電によって「医療機器が動かせない」といった困難に陥りました。その経験から学び、災害時にハイブリッド車からの外部電源により医療機器を動かすことができ、家電は液化石油ガスにより稼働する。そんな災害支援車両を開発するに至りました。
使用用途
ガソリンと液化石油ガス(LPガス)を使用し、無給油で3000キロの長距離走行が可能なハイブリッド車と、トレイルワークスをベースとしたトレーラーを連結することで、2系統の電源を引き入れられる災害時支援トレーラーとして活躍します。
車両スペック
牽引車…国産ハイブリッド車 トレーラー…ベース車両:トレイルワークス520MS(牽引免許不要タイプ) (※車内写真は類似車両の写真です)

2系統電源で災害時に活躍する災害支援トレーラー

災害時支援トレーラーたる最大の特長は、家庭用電源の供給が止まった状態でもハイブリッド車とLPガスによる2系統からの電源確保が可能な点です。医療的ケアが必要な方やそのご家族の一番の懸念は、医療機器の電源確保。このトレーラー内の電源は、医療機器がハイブリッド車より、家電はLPガス発電機よりとりこまれるので、災害時にも安定した電源供給が可能になります。人工呼吸器だけであれば、試算上は1週間持つ電力になります。医療的ケアが必要な方とそのご家族の大きな力添えとなるでしょう。

医療現場で何より大事な水の確保

災害時には綺麗な水の確保も困難になる場合があります。このトレーラーには給排水タンク10リットルが備え付けられているので、定期的に水の管理をしておくことで、もしもの時の水の確保を可能にします。

ベッド展開が簡単なシート類(写真は類似車両)

緊急時には怪我や病気で気分が悪くなり、倒れ込む方もいるでしょう。ベース車両となるトレイルワークスには簡単にフラットベッドへ展開できる装備が搭載されています。電源供給が安定しているので簡易的な医療処置も当然可能です。また、シートを取り外すことで医療用担架などを楽々収納できる大きなスペースも確保可能です。

災害時にこそ優先すべきプライバシーの確保

東日本大震災や阪神淡路大震災時に、被災者を長く苦しめたのはプライバシーが確保できないという点でした。そこから精神を病んでしまう人も多くいました。トレーラー内はシェードやカーテンなどにより、医療スペースと同時に完全なプライベート空間にすることが可能です。プライバシーの重要性は災害時ほど大きくなります。